光計測用高機能光学系・光計測システムソリューション

【経済産業省 令和4年度成長型中小企業等研究開発支援事業】 EOMの量産実装組立技術

集積型光アクティブモジュール実装組立装置

製品の概要
集積型光アクティブモジュール実装組立装置

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集積型光アクティブモジュール実装組立装置は、高い伝送性能・低消費電力・超小型の次世代高集積光トランシーバモジュールとして期待されているEOM (Embedded Optical Module) に搭載されている光I/Oコアチップの光ピンと光ファイバアレイ間での高速・高精度調芯およびUV固着による組立実装を行う装置です。

量産を想定した実装組立タクト短縮のため、画像処理をベースとしたパッシブアライメント方式を採用、光IOコアチップの光ピンと光ファイバアレイを当社の光計測用光学系および高精度CMOS検出器で画像認識、高精度画像処理により位置関係を計算し、最適な調芯・固着位置を決定します。その後、UV固着用接着剤の塗布、UVスポット光照射によるUV固着を行います。その他、光I/Oコアチップと光ファイバアレイの平行出し(面合わせ)やギャップ調整(隙間間隔調整)などの諸調整も、当社光計測用光学系を使用した光学調整方式を用いて高速・高精度に実行処理できます。本装置により、EOM量産時のボトルネックとなる光I/Oコア光ピンと光ファイバアレイの位置決め調整と実装タクトを大幅に改善することができます。

なお、本製品の開発・製品化は、経済産業省 令和4年度成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)採択をうけて、研究開発および製品化を行いました。

EOM (Embedded Optical Module) ~次世代高集積光アクティブモジュール~ 

EOM(Embedded Optical Module)の概要

AI・IoT技術の進歩、ビッグデータ・動画配信サービスなどの普及を背景とするデータ通信トラフィックの飛躍的拡大により、データセンターにおける通信機器の負荷拡大や消費電力急増が新たな問題となっています。EOM (Embedded Optical Module) は、この問題を解決する次世代高集積光トランシーバーモジュールとして注目されています。

EOMは、最先端のシリコンフォトニクス技術により超小型シリコンチップに光送受信機能を高度に集積した世界最小光トランシーバーチップ「IOCore®」を搭載した高集積光トランシーバモジュールで、高密度・高集積化・小型化・省電力化などを実現可能な次世代高集積型光アクティブモジュールです。

EOMは、従来の光トランシーバーモジュールと比較して80%以上のモジュール小型化が可能であり、消費電力も小さく、量産時の実装に適した構造を有しており、さまざまな機器内・機器間の高速・大容量伝送化に向けたキーデバイスとして応用が期待されています。

EOM(Embedded Optical Module)に関する詳細情報は、アイオーコア株式会社 WEB Siteをご参照ください。

IO Core® ~世界最小・超小型シリコンフォトニクス集積回路 光I/Oコア~

EOMの心臓部である光集積回路 光I/Oコアチップは、経済産業省主導のもと技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)が中核となって、電気信号と光信号の相互変換を行うシリコンフォトニクス光集積回路として開発・実用化されました。この最先端光集積回路「IOCore®」は現在アイオーコア株式会社が開発・製造・販売を担っています。

  • IOCore®
    • 世界最小5mm角の光トランシーバーチップで、チップ内にLDアレイ・PDアレイ・ドライバ/TIA-IC等、全ての送受信機能を高密度実装している。1ch当たり25Gbpsの高速送受信機能を送信、受信それぞれ4ch搭載し、合計で100Gbpsの高速通信を可能としている。光信号は、φ35μmの光ピンと光ファイバアレイを介して外部機器と接続をする。集積型光アクティブモジュール実装組立装置は、光I/Oコアチップの光ピンに対する光ファイバアレイの実装・固着を高精度で行う装置である。
  • 光ファイバアレイ
    • 光ファイバを高精度に配列固定した光デバイスで、コヒーレント光通信システム用光波分波合波回路などの光導波路素子と光ファイバを結合する接続デバイスである。
  • 光ピン
    • 紫外線硬化樹脂という透明なプラスチックでできた直径50μm,長さ数百μmの構造を有している。送られてきた光データをほぼ100%受信し決められた幅に縮小・拡大できるため、光ケーブルと検出器のサイズの違いをクリアできる。

IOCore®に関する詳細情報は、アイオーコア株式会社 WEB Siteをご参照ください。

集積型光アクティブモジュール実装組立装置の特長

  • 新開発の高精度画像認識処理アルゴリズムによるパッシブアライメント方式により調芯工程を大幅に短縮。高速実装に対応
  • AFMでも採用されている光学方式高精度面合わせ技術を応用。素子・ファイバアレイの高速・高精度面合わせやギャップ調整が可能。
  • 新開発の装置制御ソフトウエアにより、面合わせ、ギャップ調整、高精度画像認識処理、パッシブアライメント処理、UV接着剤塗布、UV硬化までの処理を自動化。

装置主要各部の概要・仕様・構成

光I/Oコアチップ サンプル設置部

光I/Oコアチップ、および光I/Oコアチップの駆動回路などを設置する部分です。

ファイバアレイ把持部

光ファイバアレイの把持部です。

光ファイバアレイを設置部に吸着後、ファイバアレイ把持用グリッパ―でファイバアレイの把持を行います。

サンプル・ファイバアレイ調整ステージ部

サンプルおよびファイバアレイの調整ステージ部です。サンプルおよびファイバアレイの面合わせ調整、光I/Oコアチップおよびファイバアレイ間ギャップ調整時の接触感知処理、画像認識処理によるパッシブアライメント、サンプル退避などの動作を行います。

  • サンプル調整ステージシステム
    • 電動6軸(XYZθxyz)ステージシステム
  • ファイバアレイ調整ステージシステム
    • 電動6軸(XYZθxyz)ステージシステム

上方観察光学系・上方観察部

上方観察用光学系部です。光学系には、当社の光計測用光学系 M-Scope type Jを使用します。光計測用光学系(上方観察光学系)は、素子面の観察の他、以下のような多くの役割をこなす多機能光学系です。

  • 光I/Oコアチップや光ファイバアレイの上方からの画像観察・画像認識および画像処理
  • 光I/Oコアチップ・光ファイバアレイの光学方式面合わせを行うレーザ同軸照射・観察機能
  • 光I/Oコアチップと光ファイバアレイ間ギャップ調整時の光学方式高精度接触感知を行うレーザ同軸照射・観察機能
  • 光ピンおよびファイバアレイ間の高速パッシブアライメント処理時の画像認識処理
  • UV硬化接着剤塗布時のディスペンサ・塗布位置の画像観察
  • 光計測用光学系 M-Scope type J
    • 本体(同軸画像観察ポート・レーザ照射用光ファイバポート)・高精度CMOS検出器・対物レンズ電動切替機構・落射照明・光学方式面合わせおよび接触感知用レーザ光源装置
  • 上方観察光学系・上方観察部 ステージ
    • 電動3軸(XYZ軸)ステージシステム

側方観察光学系

側方観察用の観察光学系部です。ファイバアレイの側方観察の他、パッシブアライメント時のファイバアレイ画像認識用照明、ギャップ観察などに使用します。

  • 側方観察光学系
    • マクロ視野観察用光学系とCMOS検出器、落射照明から構成されます。
  • 光学系調整用ステージ
    • 手動XYZ軸および角度変更用回転軸

装置制御部

電動ステージ各軸制御、光学系による画像取得認識処理の制御、光学方式面合わせや接触感知の制御、パッシブアライメント処理、UV固着処理の制御などを行う本装置の制御システム部です。装置制御ソフトウエアは、ファイバアレイ把持からUV固着までの一連の処理を制御する自動処理、個別の処理を順番に行うステップ処理、サンプル毎の実装組立処理の条件やフローを管理するレシピ設定や管理、パッシブアライメント後のトレランス測定を行うトレランス測定モード等さまざまな機能を有しています。

  • 装置制御部(ハードウエア)
    • 制御用PC・電動ステージコントローラ・電動ステージドライバ・外部機器制御用I/Fボード類・集中電源ボックス・専用ラック
  • 装置制御ソフトウエア
    • 電動ステージの制御
    • 画像認識・処理・解析による面合わせと接触感知処理
    • 画像認識・処理・解析によるパッシブアライメント処理
    • LD電源・LED同軸落射照明・光パワーメータ・ディスペンサ・UVスポット光源など外部接続機器の制御
    • レシピ設定・管理機能による実装条件や実装処理フローの管理
    • 自動運転モード・ステップ動作モード・トレランス測定モード・メンテナンスモード等の動作管理等

UV接着・処理部

調芯処理完了後、ディスペンサを使用して指定箇所にUV硬化用接着剤を塗布、UVスポット光源を照射してUV固着を行い、組立実装作業を完了します。

  • ディスペンサ
    • ディスペンサ本体、ディスペンサニードル位置決め用電動3軸ステージシステム
  • UVスポット光源
    • UVスポット光源本体、UV光照射用ライドガイド位置決め用電動3軸ステージシステム

装置制御ソフトウエア

装置制御ソフトウエアと組立実装工程

装置制御ソフトウエアにより、装置の電動ステージや画像認識処理、外部機器の制御など装置全体の制御を行います。また、個別のサンプル毎に組立実装条件や実装フローの諸設定は、レシピファイルにより管理されます。

  • 自動実装工程の概略(以下の工程動作は各工程毎のステップ動作で順次実行することも可能です)
    • 光I/Oコアチップを駆動基板へ取付(マニュアル操作)
    • ファイバアレイを指定位置に取付・吸着(マニュアル操作)
    • グリッパによりファイバアレイを把持
    • 光学方式により光I/Oコアチップの平面出し
    • 光学方式によりファイバアレイの平面出し
    • 光I/Oコアの光ピンを画像認識、光ピンを基準位置へ移動
    • ファイバアレイを光ピン並び位置に移動して光学方式接触感知を行い、その後指定ギャップ位置に移動
    • 光ピンを画像認識して光ピンの並びを求める
    • ファイバアレイを画像認識してファイバアレイの並びを求め、光ピンの並びに併せて回転補正
    • 画像認識した光ピンとファイバアレイをパッシブアライメントにより調芯、位置を記憶
    • UV接着剤塗布のため、ファイバアレイを一旦退避
    • ディスペンサを用いてUV接着剤を指定位置に塗布
    • ディスペンサニードルを退避、ファイバアレイをパッシブアライメント完了の記憶位置に戻す
    • UVスポット光源のライトガイドを指定位置に移動してUV光照射による固着を行う

装置の主要構成品

  • 光I/Oコア素子および駆動基板設置部
  • ファイバアレイ設置部
  • サンプル位置調整部(光I/Oコア素子設置部)
    • 電動6軸(XYZθxyz)ステージシステム
    • サンプル基板設置用ブラケット
  • ファイバアレイ位置調整部
    • 電動6軸(XYZθxyz)ステージシステム
    • ファイバアレイ把持用電動グリッパ
  • 上方観察光学システム
    • 光計測用光学系 M-Scope type J(画像観察ポート・光ファイバ接続ポート)
    • 高精度CMOS検出器 ISA071
    • 対物レンズ電動切替機構
    • 対物レンズ 5倍
    • 同軸落射照明装置(外部制御型)
    • レーザ光源(外部制御型)
    • 光学系位置調整用電動3軸(XYZ)ステージシステム
  • 側方画像観察装置
    • 画像観察光学系
    • 高精度CMOS検出器 ISA071
    • 同軸落射照明装置(外部制御型)
    • 観察位置調整用手動XYZ軸ステージ、観察角度調整用θステージ
  • システム電装制御部
    • システム制御・画像処理解析用PC(本体・モニタ)
    • 電動ステージコントローラ・電動ステージモータドライバ
    • 外部機器制御用I/Fボード
    • 集中電源ボックス
    • システム制御ソフトウエア
  • UV固着部
    • ディスペンサ
    • ディスペンサニードル位置調整用電動3軸(XYZ)ステージシステム
    • UVスポット光源
    • UVスポット光源ライトガイド位置調整用電動3軸(XYZ)ステージシステム
  • 周辺機器
    • 計測器ラック
    • 除振台
    • 光パワーメータ
    • 基板駆動用電源等

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